ミルク蒼屋のチラシ

Colloid(コロイド)が何か色々と残したりするブログです

リモートワークの達人を読んだ

原書は「強いチームはオフィスを捨てる」という本です。

著者は37signalsもとい現在はBasecampの設立者であるジェイソン・フリード さんとデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンさんの共著 ?ですね。
超短的にいうとRuby on Railsを生み出した(後者の人が)会社の設立者ですね。すごく誤解を生みそうな表現ですがだいたいあってると思う。

著者が設立した会社は、設立してから20年程リモートワークメインで業務をしており、この原書も2013年に出たということで、リモートワークを導入した経営者だからこそ言える内容でした。

なぜ読もうとおもったのか

私が所属するチームは、当ブログにてちょいちょい触れている通りタイムゾーンが異なる人達で構成されているので、前々からリモートワークメインで仕事せざる負えない状況でした。
そして昨年からこのご時世のフルリモート化、実際出社した回数は片手で数える程となりまして
改めてリモートワークとはどういうことなのか、とか
1年ガッツリフルリモートしてみてどうだったかな、とか
後は色んな人がこの本を読んでいるのを見て、答え合わせではありませんが、どんなものかなと思い読んでみた次第です。

簡単な概要

「オフィスのない世界」が突然やってきて、仕事と職場をめぐる常識は一変した。怠けよりも働きすぎに注意しよう。無駄な承認や手続きは根絶しよう。存在感は仕事でアピールしよう。部下を見張るのはやめにしよう。1日のリズムをつくろう…世界中に散らばる36人の社員を率いて数百万人ものユーザーに製品を届ける経営者コンビが贈る、リモートワークのバイブル。
Amazonの商品紹介より引用

目次(大項目)が以下の構成となってまして

  • リモートワークの時代がやってきた

  • リモートワークの誤解を解く

  • リモートのコラボレーション術

  • リモートワークの落とし穴

  • リモート時代の人材採用

  • リモート時代のマネジメント

  • リモートワーカーの仕事スタイル

この各項目の下に10項目程の内容が1P程で綴られている構成になっています。
なので気がついたら次の章に移っていたり…という感じで読めます。

前半はリモートワーク導入のメリット中心

前半である

  • リモートワークの時代がやってきた

  • リモートワークの誤解を解く

これらについては、経営者向けにリモートワークのメリット、例えば通勤時間の削減や定時という概念*1を消して働きやすい時間で働こう、といったことを説明。
誤解を解く章では、見張ってないと怠けるのでは?とか、みんなできないから不公平では?とかとか、リモートワーク導入すると色々とできなくなるのではという懸念を論破しまくる章であり
前者は見張ってもリモートでも怠ける人は怠け、後者はなぜ我慢する必要があるのか?といった感じです。
なので、前半についてはリモートワーク導入にためらう経営者に訴えかける内容だなという感想やら印象を抱いた所です。
これは経営層向けの本だったかなぁとか。。。導入済みなので今後もこんな内容なのかなーとか。

後半は導入済みな人でも唸らせる内容

そんなことを思って読み進めて、後半戦。
リモートワークのコラボレーション術以降は、導入済みだからこそ言える技が紹介されておりました。
Amazonの試し読み機能で予め見ていたので、正直な話ここからが読みたい内容でもありましたが。
以下、各章での要約と感想を。

  • リモートのコラボレーション術
     術と書かれているので、ルールやツールとかリモートワークを良く動かすためにどうするかという内容がメイン。
    共通のコアタイムを決めるという所は、会社全体としてのコアタイムではなくて各チーム*2で設定すると、コミュニケーション取りやすいし、コアタイム外は好きに時間を使えると。
    タイムゾーンが異なったら共通のコアタイム設定をすればいいという考え方は非常に参考になりました。
    どんなに時差があっても、リアルタイムのコミュニケーションできないとしんどいというのは世界共通*3っぽいので、共通のコアタイムを設定するというのは重要であり大切なのだなと感じました。 他にも画面共有でペア作業できるよね!や、情報共有方法はこうできるよね~等ツールを駆使したテクニックや、疲れたり息抜きには雑談しようぜとかそういった術を紹介している章でした

  • リモートワークの落とし穴
    リモートワークの良い所やこんな問題にはこう解決していこうといった改善ポイントを紹介していった中での、デメリットやだめな所の紹介。
    よくあるプライベートと仕事の境界線がつかなくなるとか、人と会わないから孤独になりがちといった点を紹介されています。
    特にリモートワークは働きすぎ問題がでやすいと本書では指摘して、実際私がそうなっているのが現状なので心になにか来ましたよね。。。
    このような事もちゃんと改善点を提示されていて、個人というよりはチームで場の雰囲気やルール作りをしていかなきゃねという所や、1日を振り返ってみて自分のペースを考えてみたりとか、デメリットだけ提示して投げっぱなしにせず改善するためのアクションが書かれており、すぐに実践できそうな内容で良い本だなと思いました。

  • リモート時代の人材採用
    人材を採用する立場ではないですが、逆は然りの可能性はあるので読み進めてました。その中で印象に残ったのは、仕事一筋の社員はいらないという所です。
    問題解決や発想は業務外の趣味等があってこその物であり、リモートワーク導入するならそれくらい支援していこうぜということで。
    今の会社*4の面接はまさに趣味プレゼンで入社したに等しいし、ITは色々なことに手をだせそうな業界であるのでもっとやっていこうぜとなりましたね。
    あんまりリモートワーク関係ないような気がしますが

  • リモート時代のマネジメント
    ここが一番気になっていた章です。最近メンターの役割をする機会があったので、リモート環境下ではどうやっていくのが良いかを知りたくて。
    一貫していたのは、コミュニケーションをしていこうというのと、画面上だけの交流と実際に会ったときの印象は違うので、直接会う事もまた大切という所。
    直接会うイベントを少なくなると、価値が高まるので無駄な事は減るだろうということ。
    一方で前述の働きすぎには要注意とかも書かれてたりで、ここでのマネジメントは自己管理的なマネジメントだなぁと読んでて思いました

  • リモートワーカーの仕事スタイル
    ここではよくあるワーケーションやリモートの環境についての話がメインでして
    中でもモチベーションの高め方については、モチベ維持についての考え方が述べられてました。
    仕事は遊びではないけれど、仕事の楽しみや面白さはまた違うし、モチベが上がらない時は自分だけではなく、仕事や組織やらに問題があるかもしれないというところで見つめなおそうとの事。
    色々と考えさせる内容でございました。仕事の面白さ、何だっけなって…orz  

総評のような何か

こう書いてて思ったのが、この本は確かにリモートワークの内容もだけど、仕事やモチベーションや組織やらチームを良くするにはという点も書かれていて
普通の業務に通じるなぁと思った次第です。
経営層には読んで欲しい…とも思いつつ、私のような平社員が読んでも仕事のやり方か考え方を得られる良い本と感じました。
内容は疑問問いかけの投げっぱなしにせず、対処方法や改善点も書かれていて、フットワークが軽ければ実践ができそうでも有り
リモートワークの本と思わず、誰でも読んでほしいなぁと思いました
そんな感じです。

*1:必ずしも9時始業18時退勤しなくていいじゃん?的な

*2:タイムゾーンが複数あるなら尚更

*3:少なくとも著者の会社はそうだったんだろうなという書きっぷりを感じた

*4:入社して三ヶ月で吸収合併したけど