ミルク蒼屋のチラシ

Colloid(コロイド)が何か色々と残したりするブログです

「放課後、恋した。」を読んで悶え死んだ

先日、講談社コミックの1巻がKindleで無料キャンペーンみたいなのを見かけて、流し見しつつ気になるものをポチっていた。
それがこの「放課後、恋した。」である。
当時は1巻と2巻が0円なのでぽちり、気がついたら全巻購入していた。久しぶりの大人買いである。完結済みの漫画は続きが気になって悶て苦しまなくて済むのが良い。

感想を端的に言うと

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こう言われて案の定死んだのである。

JK1年目の主人公の夏生は、教師で男子バレー部の顧問である兄を持つ。その兄から男子バレー部のマネージャーを無理やり依頼され、ある男を入部させるように仕向ける。
その男は、中学生の頃バレー部バリバリで今は帰宅部である、久世渚という男を。

真ん中の女の子が主人公の夏生ちゃん。JK1年生。兄が持つ男子バレー部の顧問であるがゆえに強制的にマネージャーをしている。夢中になれるものが無いと嘆いており、やや卑屈気味な子。
右の男子が久世渚くんで同じく1年生であり中学の頃はバレー部。その頃の失敗によりバレーから離れているが、バレーが好きな素直になれない系男子。
左の金髪な子は桐生朝日くんという、気配り上手で渚と同じ中学であり部活であった聖人みたいな子。神すぎる。

そんな3人が繰り広げる青春スポ根恋愛トライアングラー漫画である。

まず作画がすごい。柔らかい絵ってすごい。私はパキパキしたモノクロ作画になるのでやわらかい表現が難しい。 この漫画は全編通してふんわりとした絵で、やわらかくでパキッとしていない、すごい。鉛筆って濃淡がつけやすいのでやわらか表現できるけど、インク系は難しくない?と思う。でもこの漫画は鉛筆で描かれたかのような柔らかい表現がされててすごいと思う。
そして少女漫画なのにそんなに少女漫画な絵って感じがしない。私がちゃおっ子だったからそう感じるのかな?他の作者をDisっているわけではないけど、頭身とか目とかもそんなにデフォルメしてなくて憧れます(何目線だ…)
カラーもこれコピックモリモリではなくて、水彩系の何かをつかっているのかな?水彩すごい…よく滲まずに塗れるのすごい…というかアナログって最近また戻りたくなるくらいいいよね…と感じる。デジタルは楽だけど、アナログはデジタルに比べて圧倒的に難しくて、表現も無限だと思う。また機会あれば油絵とかアクリルとかやりたいな…
私もこんな作画矯正したいな。。。こういう所で自分の絵へのモチベが高まるのは良いね。

そんなふんわりした作画で繰り広げる、トライアングラーな恋愛青春な話。そして流れる学校イベントと部活イベント。
高校はテストにプール掃除に文化祭かぁ…なにもかも学生ならではなイベントばかりで懐かしく思って。そんな中繰り広げる3人の関係性であり、各々の過去もあり。1人1人の過去をすべて乗り越えていく話の展開は、あと残りも無くて、皆最終的には幸せであって良いなと思う。

主人公ズよりも、顧問のお兄さんの方に共感してしまうのは年齢から来るものだろうか。
この物語はメインは主人公ズの恋愛が中心である中、顧問であり主人公の兄にどうも共感というか、そんな目線に同感してしまうよなぁとか。例えば過去の経験からのアドバイスもそうだし。私もきっと同じようなことがあったら言うだろうと思い。
そして何よりも、顧問のお兄さんの最後の言葉に来るものがあった。

今この瞬間は 大人になってからの3年とは違う 一生ものの時間だってことを

今私は社会人5年目になるけれども、その5年と高校3年間は全然違うなと今改めて思う。あんな状況はあの時特有でしか生まれることがなくて、社会人になってそれを得ることは無理だよねという感じで。
一方で高校生は全力なのに我々と来たら*1…みたいな気分にもさせられたorz
捉え方を変えると、私はまだ社会人として高校生のように全力で打ち込むという状態ではないらしい。色々と邪念があるのも原因かもだけど、少なくともまだまだ何かが足りてないなぁと感じた。かつて私も学生時代の頃はそうやって打ち込んでいたのに、今ではそういう事に対してそんなにモチベーションがなくなってたなぁ…とかとか。

確かに高校生や大学生とかの学生時代は一生モノではあるけど、そういう時代を忘れずに私は今もよしなに生きていこうと思った。
そんなかんじでこの本は甘酸っぱい青春漫画と思いきや、色々と振り返り、今も昔も大切にして生きていこうと思わせる。
そんな素敵な漫画でした。
そうして私はこの本を読んで、話の甘酸っぱさと今と昔を振り返り、悶て死んだとさ。

*1:労働基準法があるといえ